さて、今回4月20~23日のドイツ放浪旅行の最大の目的は、4月22日にハンブルク(Hamburg)で行われるUEFA Europa League準決勝第一戦、フラム(Fulham) VS ハンブルガー(Hamburger SV)を観戦することでした。
UEFA Europa Leagueとは、欧州サッカー連盟(UEFA)の主催で毎年9月から翌年の5月にかけて行われる、クラブチームによるサッカーの国際大会。参加資格を有するのは、以下のチームです。
・UEFAランキング1位~3位の国内リーグ5位と6位 6クラブ
・UEFAランキング4位~6位の国内リーグ4位と5位 6クラブ
・UEFAランキング7位~9位の国内リーグ3位~5位 9クラブ
・UEFAランキング10位~15位の国内リーグ3位と4位 12クラブ
・UEFAランキング16位~21位の国内リーグ2位と3位 12クラブ
・UEFAランキング22位~51位の国内リーグ2位と3位 58クラブ
・UEFA加盟国の国内カップ戦優勝チーム 51クラブ
・UEFAフェアプレーランキングで選ばれた3チーム 3クラブ
フラムはプレミアリーグでも毎シーズン中位に位置するチームです。Europa Leagueの出場権を得られることですらとても稀であるのに、今シーズンはここまで前年度優勝のウクライナのシャフタール・ドネツク(FC Shakhtar Donetsk)、イタリアの強豪ユベントス(Juventos)を撃破する快進撃を続け、準決勝まで辿りついたのです。
さて、試合当日のハンブルクは、地元なので当然のことですが、町中からハンブルガーのサポーターだらけ。ハンブルガーのチームカラーであるブルーで身を包んだ人たちが目に付きます。そんな中フラムサポーターとして、フラムのユニフォームとマフラーを纏っていたところ、地元サポーターたちの注目を集めることができました。視線が熱い、熱い。完全に「敵」扱いです。「今日は3-0でハンブルガーの勝ちだ!」と冷やかして声を掛けてくる人まで。ハンブルガーに対する愛情の裏返しで、この日のフラムに対する敵視も凄まじいものがあったのでした。スタジアムに到着するとなお一層その思いは強く感じられ、中にはハンブルガーの応援旗だけではなくフラム(イギリス)を敵視する旗が掲げる人までいました。
一方のフラムサイドといえば、今シーズンのシーズンチケットを買ったから愛着が湧いたにわかファンの僕ですらわざわざハンブルクまで来て観戦することに高揚感を覚えているのですから、根っからのフラムサポーターたちも言うに及ばずキックオフ前から興奮状態です。特にアイスランドの火山灰の影響で試合前日までは飛行機が飛んでいなかったため、フェリーや鉄道を駆使してロンドンからハンブルク入りした人が多かった模様。その苦労がますますテンションを高めていたのだと思います。総勢500人位来ていたでしょうか。
でもやっぱりスタジアムはご覧のとおり真っ青。50,000人収容なので、99%はハンブルガーサポーターなわけです。ゲーム開始前、応援歌を全員で歌っていた時のスタジアム内の音のうねり。フラムサポーターとしては耳を塞がざるを得ませんでした。
試合は、ハンブルガーが前後半通じて支配するものの、フラムが何とか持ちこたえ、0-0で終了。圧倒的アウェーでこの結果は決して悪いものではありません。どちらかといえばハンブルガーが格上なので、むしろかなり好結果と言えましょう。フラムサポーターたちは試合終了後、まるで大勝利を収めたかのようなお祭り騒ぎを繰り広げたのでした。以下の動画を撮ってみたので、ご覧下さい。
圧倒的アウェーで観るゲームはマンチェスターユナイテッド戦以来2回目でしたが、今回はドイツでイングランドのチームが戦うということもあって、完全なまでのアウェー状態。周りから敵視されていることに少し緊張しながらもサポーター魂に火が付く、そんな感覚を味わうことができました。楽しかった!
なお後日談になりますが、フラムは第2戦ホームでハンブルガーを迎え撃ち、見事2-1で大逆転勝利を収めました。これでEuropa League決勝戦進出です。心底残念なことに日本出張のため決勝戦を観に行くことはできませんが、自分の応援するチームの大活躍、とても嬉しく思います。
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